びわの名産地・長崎から
おいしさとやさしさを込めて
長崎の太陽と潮風をたっぷり浴びて育ったオーガニック栽培のびわの木には、
ふっくらとした緑があざやかな葉が茂ります。
それらをひと葉、ひと葉、ていねいに摘んで、磨き、細かく刻んで焙煎・抽出。
「手間と思いを込めた分だけおいしくなる」――-私たちはそう信じて、
長崎からあなたへ、このお茶を贈ります。
焙煎びわ葉茶
低温ですばやく煮だした香りほのかなびわ葉茶をご堪能ください
焙煎びわ葉茶 JAPONICA LOQUAT Leaf tea
今日、日本で果樹として広く親しまれている「びわ」。元来、日本にも自生しており、奈良・平安時代ころから野生のビワを食用にしていたという記録もあるとか。しかし、今日、わたしたちが親しんでいるびわの品種は「唐ビワ(茂木ビワ)」と呼ばれるもので、江戸時代末期に長崎に寄港した中国の貿易船からもたれされたそう。
一説によると、天保年間(1830年~1844年)にかの三浦シオが女中奉公していた長崎通詞からびわの種子をもらい受け、自宅の庭にまいたものが広がった……など。その発祥は諸説ありますが、現在、すっかり日本人の生活に根ざし、おいしく食べているあの「びわ」が、外国生まれとはちょっと驚きですね。
そんな歴史のロマンを感じさせる逸話があるびわですが、先人の努力と智慧を集めておいしさに磨きをかけ、長崎を代表する名産と言われるまで至りました。
大粒でジューシー、さっぱりとした甘さでびわが果樹として大変、優れているのは周知のこと。明治時代になると茂木びわを改良して「田中」という品種ができるなど、ひたすらおいしさを追求していきました。びわには耐寒性があまりないので、ここ長崎や千葉の房総半島などの温暖な地域で栽培されます。実は、長崎は全国の約3分の1を作っている日本の一大産地なのです。
びわの実の収穫は5~6月で、めずらしいことにびわの花は11月中旬~2月上旬の冬に咲きます。その香りはまるでバニラのような甘く、うっとりするほど。寒さには弱いのですが発芽率がよいので、何気なく撒いた種が発芽し、関東以西なら庭先にびわの木があるのというのもめずらしくありません。また、自家受粉が可能なので庭木でも実がなります。
ちなみにびわの学名はEriobotrya japonicaで、属名の由来は羊毛を表す“erion”とぶどの房を意味する“botrys”を組み合わせたもの。実の表面をびっしり覆う白いうぶ毛を思い浮かべるとわかりやすいですね。
さて、今まで実がおいしく、香りのよい花に注目してきましたが、実は昔からびわの葉は、人々の生活に欠かせないものでした。古代の仏典『大般涅槃経』にはびわの木を「大薬王樹」、葉を「無憂扇実際」と記されたりしているそうです。また、江戸時代に宿場町ではびわの葉を煎じたお茶を旅人に提供していたとか。歩くことがメインの移動手段だった頃、旅人の乾いたのどと、疲れたからだを癒してくれたことでしょう。
栽培
農薬をいっさい使わず自然環境で逞しく育つびわの葉
収穫
ナンバリングされた木から3割を目安に葉を一枚ずつ収穫
織毛取り
洗浄してから茎をカットし、葉に生える毛を手でていねいに取ります。集中力と根気がいる、もっとも手間のかかる作業。ここをきちんと行うことが、おいしいびわ葉茶になる重要な要素なのです。
洗浄
毛や汚れを再びきれいに洗い流し、脱水機にかけます
葉破り
茎と葉を分別。機械でもできますが、
障がいの度合いに合わせて作業します
乾燥
葉打機に投入して乾燥させます。夏は特に大変な作業で、加熱時間は平均20分ですが、冬は10~15分長くなることも
裁断
さらに細かく裁断して、ふるいにかけます
焙煎
工場長による職人技の焙煎作業。
まずは80℃くらいから始め、20分かけて120℃までゆっくり上げ、今度は温度を下げて80℃になったら機械を止めます。一度に7.5~8.0kgを焙煎することができます
完成
焙煎を終えた茶葉は抽出され、環境負荷が少なくリサイクルも可能なカートカンに充填されて製品になります